すい臓がん 【膵臓癌】 すい臓がんは厄介な病です。

早期発見・手術も難しい、難治のすい臓がん。

すい臓がん【膵臓癌】

早期発見が難しい、すい臓がん

すい臓がんは、最も死亡率の高いがんの一つで、初期には無症状であることが多く、早期発見が難しく、進行した例では治療にもかかわらず予後は極めて不良です。

すい臓がん - 【膵臓癌】について

すい臓とは?

すい臓は、胃の裏側に、横たわる様に位置した実質性臓器で、長さ15−20cm、幅3−4cm、重さ80−100gの淡黄色の臓器で、その機能は、アミラーゼ、リパーゼ、トリプシノーゲンなどの酵素を分泌してタンパク質や脂肪などの消化に関わっているとともに、インスリンやグルカゴンなどのホルモンを分泌し、血糖調節などの機能に関わる臓器です。

すい臓の役割

すい臓の働きには主に2つあり、1つはアミラーゼなどの大切な消化酵素を大量に含んだ膵液という消化液を分泌する働き(外分泌)、 もう1つは血糖をコントロールするインスリンやグルカゴンというホルモンを分泌する働き(内分泌)です。すい臓は、あまり目立たない臓器ですが、私たちが生きていくうえで非常に重要なはたらきをもっています。

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前立腺がんについてA

すい臓がんの症状

症状は腹痛と黄疸が多く、次いで食思不振、腰背部痛、全身倦怠感、体重減少などで、特徴的な症状が乏しいのが、診断の遅れにつながっています。
なお、糖尿病発症や糖尿病の経過中の急な悪化が診断のきっかけとなることも多いので、新たに糖尿病の治療受けようとされる方や糖尿病が急に悪化された方は、膵臓がんの検査を受けられることをお薦めします。
膵がんではその病巣占拠部位により、臨床症状が異なります。膵がんの60%は頭部にできますが、膵頭部には胆管が通っているため、膵頭部のがんでは胆管が狭くなって胆汁の流れが悪くなり、黄疸が生じやすいのが特徴です。
この他、膵頭部がんでは、上腹部痛、背部痛、食思不振、全身倦怠感、心窩部不快感、腹部膨満、体重減少など一般的な消化器症状と同様な症状が表れます。
がんが進んでくると、腹水、消化管出血がみられることがあります。

 

 

膵体部や尾部のがんでは、膵頭部がんと比べその場所から胆管に影響が及びにくいので黄疸も出現しにくく、その発見はさらに遅くなることが多く、診断された時点では、手術不能と言う場合が多くあります。症状としては、上腹部痛や腰背部痛が多いですが、体重減少、腹部膨満、便秘、下痢、糖尿病の悪化など不定な症状が多く、たまたま別の病気でCTや超音波検査をされた場合に見つかることも多くありません。
がんが進むと腹部腫瘤や腹水のみられることもあります。
なお、慢性膵炎の症状も膵がんとよく似ており、慢性膵炎の場合も、膵がんの検査を行う注意が必要です。

すい臓がんのマメ知識

すい臓がんとコーヒー

日本疫学会で、愛知医科大学の研究グループが「適度なコーヒー飲用はすい臓がんを抑制する可能性がある」と発表しました。 研究の内容は、一九八八〜九〇年に追跡調査に登録した全国約十一万人(四十〜七十九歳)を九十七年末まで追跡し、すい臓がんで亡くなった二百二十八人の生活を調査したものです。
それによれば一日に一〜三杯コーヒーを飲む人は、ほとんど飲まない人に比べて、すい臓がんの死亡リスクは明らかに低下傾向を示したということです。
研究グループの林櫻松( リン・インソン)講師は「ホットコーヒーには二百〜三百種類の抗酸化物質が含まれており、この物質の働きで、すい臓がんに対する抑制効果が出てくるのかもしれない」と解説しました。

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前立腺がん治療法

@手術療法

外科手術は癌のあるところを切除する治療です.手術法はすい臓がんのできている場所によって異なります.
膵頭部にがんがある場合は,すい臓の頭部から体部の一部にかけて,十二指腸,小腸の一部,胆嚢,胆管および場合により胃の一部を切除する膵頭十二指腸切除術を行います.膵尾部にがんがある場合には,すい臓の体部・尾部と脾臓を切除する膵体尾部切除術を行います.
膵全摘という膵頭十二指腸切除と尾側膵切除を一緒にしたような手術がありますが,すい臓がんでこの術式の適応になる方はまれです.すい臓がんの病期によってはがんを切除できない場合もあります.この時は,十二指腸などがつまって食事がとれなくなるのを防ぐために胃と腸をつないだり,黄疸が出ないようにするために胆管と腸をつないだりするバイパス手術を行うことがあります.

A放射線療法

放射線療法は放射線を患部に照射してがん細胞を制御する治療です.通常は身体の外から放射線を照射しますが,手術中にすい臓がんだけに放射線を照射する術中照射という方法もあります.

B化学療法

化学療法は抗がん剤でがん細胞を制御する治療です.通常は抗がん剤を点滴して全身に行き渡るようにする全身化学療法を行います.この方法は,すい臓以外の転移病巣にも効果が期待できるという利点がありますが,副作用にも注意しなければなりません.