前立腺がん治療法
@ホルモン療法
前立腺がん細胞は男性ホルモン(テストステロンといいます)の刺激により増殖を続けます。前立腺がんの内分泌療法は、このテストステロンを遮断し、がん細胞の増殖を抑えようとする治療法です。
この治療法は、手術療法や放射線療法と異なり、がん細胞を完全に取り除いたり、殺してしまう治療ではなく、増殖を抑えておとなしくしてもらおうとするものです。
具体的な治療法は、テストステロンを分泌している両側の睾丸(精巣といいます)を摘除したり、定期的(4週間に1度)に注射をしてテストステロンの分泌を抑えたり、注射や飲み薬で女性ホルモン(エストロゲン)を投与する方法があります。
A放射線療法
前立腺がんに対する放射線療法には、体の外より高エネルギーのX線により治療する外照射法と前立腺の内に線源を入れて照射する組織内照射法(ブラキセラピーといいます)があります。 放射線療法は、手術療法と比べて尿失禁や勃起機能不全が起こりにくいとされています。ただし、前立腺は体の内に残っており、がん細胞が完全に死んでいるかどうかは判りません。 合併症は、治療中に起こる場合(早期合併症)と治療後しばらくたってから起こる場合(晩期合併症)があります。
B化学療法
ホルモン治療が有効でない症例や、ホルモン治療の効果がなくなった時に行う治療です。
点滴を用いる場合は、通常2種類以上の抗がん剤を用いて、8週間以上行います。ホルモン療法と同じように全身に作用しますが、効果が続く期間が短く、有効性を認めない医師も多くいます。
C手術療法
がんが前立腺内に限局している時、手術によりがんをとり除く方法です。下腹部を切開し、恥骨の裏側にある前立腺を摘除し、膀胱と尿道を吻合します。この時、リンパ節に転移があるかを調べます。がんが前立腺被膜を少し越えている場合でも、転移がなければホルモン治療を併用して手術をすることがあります。
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